ミステリーツアー 南三浦2日目〜毘沙門から三戸浜〜
2日目の朝。
真冬のキャンプだったにも関わらず、昨日の夜は暖かかった。
背後の崖が北風を遮ってくれたせいか、キャンプサイトはほぼ無風。
ダウンジャケットを羽織ったのは、夜も遅くなってからで、それまではReedのフリースの上にMountain EquipmentのAiguilleジャケットを羽織るだけで大丈夫だった。
ちなみに、冬のキャンプでは火の粉が飛んできてもビクともしない綿のダウンジャケットを持ってきている。
とってもかさばるので、これについても「コンパクト化」を考えないといけない。
⇨コンパクト化計画 第一弾
空には、遥か彼方まですじ雲が伸びている。
上空では風が吹き、これから天候が崩れるのだろう。
太陽が東の空に顔を出すと、昨日崩落があった辺りの崖がオレンジ色に染まった。
この時期は日の出が遅いので、出艇はどうしても遅い時間になってしまう。
朝飯を食い、テントを撤収した時は8時を回っていた。
日曜日は朝から曇りだろうと思っていたのに、青空が広がり思いがけず天気がいい。
気温は昨日より低いものの、真冬の様な寒さではなく、指先がしびれることもない。
潮位は午前4時頃の干潮から上がり始めている。滑る磯場をカヤックを担いで乗り越えなくても出艇できるのがありがたい。
安房崎へ向かう海上は既に風が吹いているので、岸沿いを宮川方面に進んだ。
ちなみに、「三浦・岩礁のみち」は、宮川〜三崎間が荒れているため気楽な感じで通行する事は出来ない。
⇨三崎の誘惑 〜三浦・岩礁のみち〜
青木造船所前の岩礁を抜け、最短距離で城ヶ島に渡り安房崎の灯台に向かって南東方向に進む。
ここは三角波が立ちやすい場所で、バシャバシャしている時が多い。
安房崎を回り込み、島の南側に抜ければ穏やかな海になるだろう。
予想通り、城ヶ島南岸は穏やかな海が続いていた。
千島列島から飛来し赤羽根海岸で越冬しているウミウの断崖は、彼らの糞で真っ白になっていて、まるで冬山のようだ。
後光がさしているキッカー艇。
いつも楽しいキャンプをありがとうございます。
ウミウと心を通わせた(だろう)後は、馬の背洞門に向かう。
洞門脇の岩場を抜けた先で行き止まりになってしまったキッカーに「こっちだよ〜」と呼びかける私。
岸ベタは楽しい。
釣り人を避けながら長津呂崎を超え、三崎堤防に向かってバウが北北西を向いても風は6メートルくらいで思ったほど強くは吹いていない。
しかし、三崎堤防の壁が無くなると、途端に北東の風を強く感じるようになった。
ここからゴールの三戸浜までは "運動" をしなければならない。
諸磯の手前で何気なく江ノ島を探すと、見慣れない島が目に入った。
その島は二つに分かれ、岸からも離れているように見える。
「あれ?江ノ島って二つに分かれてましたっけ?」

灯台の辺りで谷のようになっている部分はあっても、今見えているように完全に分かれてはいない。
「蜃気楼?」
冬、海面温度が高い日には蜃気楼が見えると聞いたことがある。
⇨蜃気楼の解説ページ「もっと!いろいろ蜃気楼」〜魚津埋没林博物館
"二つの江ノ島" は、三戸浜に着く直前まで見えていた。
そして、三戸浜に上陸し駐車場からその方向を見ると “いつもの江ノ島” に戻っていた。
昨日からのミステリー続きで、我々の頭の上は「?マーク」だらけだ。
風は強くならず、フリース1枚で撤収できるくらい暖かかった。
冬のキャンプツーリングでも、寒気が入らず風に吹かれなければ、思いの外快適に過ごせるものだ。