カヤックのある休日 〜戸津浜から毘沙門〜

5月13日 金曜日、海に来ている。
天気快晴、海況まあまあ、平日…絶対的に気分がいい!
ただ一点、今日は夕方に歯医者の約束があるので、早めに帰らないといけない。

P5130004.jpg出艇地は、私のカヤック生活の故郷である三浦半島の戸津浜。
ウィスパーの進水式をやったのもこの場所。
googleマップで検索すると「遠津浜」と表示されるので、たぶん「とおつはま」が「とつはま」になったんだろう。
細くてデコボコの道を行くと、突き当たりに気持ちのいい小さな砂浜があり、岩礁の出っ張りの向こうにもう一つ砂浜がある。私の中ではこの二つの浜合わせて戸津浜と呼んでいる。

P5130006.jpgP5130009_20160513.jpgいつもは、手前の浜でカヤックを組み立て海に出て行くけど、今日は奥の浜から出ることにした。
どうも人間の器と比例しているのか、広い砂浜から出艇するよりも、こんな小さな砂浜から出艇する方が好きである。
潮はまあまあ澄んでいる。しかし地元の人の話によると、昔の戸津浜は今の何倍も綺麗だったらしい。

P5130013_20160513.jpgまだウネリが残っていた。
剱埼の先端では、千葉の山々がウネリの向こう側に隠れてしまう。

P5130015.jpg案の定、横瀬島でも波が入っていて上陸ならず。
そのまま毘沙門に向かう。

P5130020.jpg毘沙門に上陸。

P5130024.jpgP5130026_20160513.jpg時間はまだたっぷりある。
予定では、城ヶ島か宮川まで行き、美味い昼飯でも食べて帰還するつもりだったけど、のんびりしていたら、なんだかめんどくさくなってしまった。
ちなみに、戸津浜からここまで30分ちょっとしか漕いでいない。
ハマヒルガオの咲く丸太に座り、クッキーをつまみながらコーヒーを飲んでいると、ますますめんどくさくなった。

2011年11月に戸津浜から出艇した時は、城ヶ島の赤羽根海岸までを往復している。
島で朝飯 〜戸津浜から城ヶ島〜
それでも、距離は片道8キロくらいだから大したことはない。
今日は約3キロ。ツアーでももっと漕ぐだろう。

P5130028_20160513.jpg日焼け止めを塗り直し、反対側の岸から再出艇。
15時43分の干潮に向けて潮が下がり始める頃だ。
今日は小潮なので干満差は80センチほどしかないけど、この時期は大潮の日だと140センチくらいの差があり、今浮かんでいるこの場所も全て陸になってしまう。

P5130031.jpg江奈湾を超え岸沿いを進んで帰途につく。
ちなみに、江奈湾の奥はカヤック進入禁止なので入ってはいけない。
ウネリは収まっている。
このポツンと建っている別荘(?)の前の海はこんな感じで、なんとも素晴らしい。
使っていないのなら、私に貸して欲しいものだ。

P5130036.jpgP5130039.jpg数年ぶりに、剱埼灯台の下にある水路にも行ってみた。
剱埼灯台は、1871年に建設された日本で7番目の洋式灯台で、現在のものは関東大震災の後に建てられた2代目。
横にある鉄塔が邪魔だし、あまり高さもないけど、とても美しい形の灯台だと思う。
ちなみに、夫婦岩側には何かの建造物跡がある。いったい何が建っていたんだろう?

P5130044_20160513.jpg空では、自衛隊のヘリがひっきりなしに飛んでいてうるさい。
しかし、私の眼の前に広がる海では、鋸山の前を帆船がゆったりと航行し、カヤックを警戒したウミウが下手くそなテイクオフをしている。
平和。

P5130045.jpg大浦海岸で海上のゴミ拾いをしていると、アカクラゲが泳いでいた。
海の中でこんな奴に刺されたら大変。
ちなみに、お盆を過ぎたらクラゲに注意しないとダメだけど、こういう奴はいつでもいると思っておいた方がいい。
幽霊達の住処 〜戸津浜から横瀬島〜

P5130052_20160513.jpgIMG_7395.jpg戸津浜に帰還。
“美味しいもの” を食べて来なかったので、コンビニで買ったクリームパンで簡単に腹ごしらえする。
日差しが強い。
この美しい浜も、夏になると沢山の人が訪れ、大騒ぎをしてゴミを捨てていく人もいる。
狭いデコボコの道を挟んだ浜の向かいには、地元の人が耕す畑もある。
海は昔と比べて濁ってしまったかもしれないけど、陸地を汚さないようにするのは、この浜を使わせてもらう僕達の責任。
地元の人達に嫌われないように、マナーを守りたい。

今日は、ほんの数キロしか漕がなかった。
でも、こんな日のカヤックは海を歩くための足。そんな穏やかな休日の過ごし方も良いものだ。

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