旅人達との休日 1日目〜子浦周辺〜

昨年のゴールデンウィークは、デイツーリングが1日できただけだった。
ブルーウィーク 〜三戸浜から城ヶ島〜

今年のゴールデンウィークは、長い人で9連休。
例によって月末月初を休めない私は、連休後半で遊ぶことにする。
幸いにも天気が良く、珍しく海況がいい日が続く予報なので、2年ぶりにGWキャンプツーリングに行くことにした。
2015年 ⇨やっぱり中木は遠かった 〜松崎から千貫門〜
2014年 ⇨夜と朝を感じる旅 西伊豆1日目前半〜松崎から田子〜
2012年 ⇨大人の休日はワイルドにいく 1日目〜弓ケ浜から奥石廊〜

私以外の参加者は、ワンチャン、ハマちゃん、キッカーの3人。
これまた例によって、キャンプ地だけが決まっているだけで、カヤックをどこから出すのか当日まで決まっていない事が多い。
電車移動が難しいワンチャンは、私と一緒に車で移動するので、出ようと思えばどこの浜からでも出れるのだが、ワンチャンが希望したのは入間。
ちなみに入間からキャンプ地までは30分しかかからない。
さすがにもうちょっと漕ぎましょ〜よという事で、雲見や岩地からの出艇を提案してみたものの、子浦出艇を勝ち取るのが精一杯だった。

(あとがき:2017-5-4)
理由はわからないけど、雲見はカヤックが全面禁止になったらしい。
松崎町はカヤックに理解のある町だと思っていたけど、場所によっては違うみたい。

渋滞を避けるため、早朝に合流し西湘バイパスを使って西に向かう。
南伊豆に行くには、1号線を使って西伊豆に出て南下するルートと、東伊豆を行くルートがある。
私は、東伊豆ルートを行く事が多い。
下田に着く時間を計算したら、ちょうどハマちゃんが伊豆急下田駅に着く頃になるみたいなので、さっそく助手席にいるワンチャンがハマちゃんにメールした。
返信なし…まさか一人宴会中なのか?
電車が着く少し前に下田駅に到着。すぐさまワンチャンが改札で待ち伏せしてハマちゃんを確保。どうもビールを一杯やって爆睡していたらしい。
駅前で買い出しした後、弓ヶ浜まで送迎。
どうせならワンチャンも弓ヶ浜から出ればいいと散々説得するものの、やっぱり1時間以上は漕ぎたくないらしい。

子浦子浦の駐車場は満車に近い状態だった。
1日1,000円の料金を払い、出口に近い場所に車を停めた。
海からはちょっとだけ遠いけど、この場所なら人があまり通らないし、堤防脇でカヤックを組み立てられるのでなかなかいい。

12時少し前に準備完了。
海岸に立ち並んだテントやタープの間を抜けて、海岸に出た。
そろそろ松崎から出艇したキッカーがこの辺りを通過する時間かもしれない。
ちょうど海から戻ってきたフィッシングカヤッカーと話をした。
海には赤潮が出ているらしい。

妻良子浦からキャンプツーリングに出艇するのは初めてなので新鮮な感じがする。
妻良湾の中や堤防の辺りは、漁船やダイビングボートも頻繁に通るので、カヤックを浮かべる人は注意して行動したい。
子浦と妻良(めら)がある妻良湾は、昔は風待ちに利用された天然の良港で、湾の北側にある日和山(ひよりやま)は、風見をした山である。
船乗りが風見をした「日和山」という名前の山は全国各地にあり、伊豆には8つある。
また、街道の宿場町の近くに遊郭があるように、風待ちの漁港にも遊郭があった。
子浦の海に突き出た山の上にある「ころばし地蔵」は、遊女が客を引き留めるために悪天候を願って転ばしたものなので、間違っても出艇前にシーカヤッカーが転がしてはいけない。

毎年8月15日には妻良で盆踊りが行われる。
静岡県の無形文化財に指定されていて、秋田県の西馬音内盆踊りように踊るのが難しい。

妻良 海底火山妻良 海底火山妻良・子浦エリアは、海底火山の影響でできた迫力のある地層がたくさん見られる場所。特にシーカヤックで海から眺める景色が素晴らしい。
今日は赤潮があり潮の透明度はイマイチだけど、普段は素晴らしく澄んだ海が広がっている。

妻良 海蝕洞妻良 海底火山妻良 海底火山海蝕洞を抜け、様々な模様が残る岩肌を見ながら進む。
何度来ても太古の海にタイムスリップしたような気分にさせられワクワクする。

妻良 海蝕洞二十三夜山二十三夜山谷川浜には寄らず、まっすぐ富戸の浜に向かうことにした。
30メートルほどの海蝕洞を抜け、二十六夜山を巻きながら吉田方面に向かう。

富戸の浜富戸の浜が見えた。
遠目では浜に白いカヤックが1艇あるように見えたが、近づくにつれそれは白い大きな流木だということがわかった。
カヤックで南下して来た場合、この位置から吉田集落は見えない。
先に到着していたキッカーが浜の1キロ沖で釣りをしていたので、漕ぎ寄って釣果を聞いた。

富戸の浜富戸の浜 管理人本日のキャンプ地に上陸。
さっそく管理人さんに挨拶する。
怪我をしていた管理人さんを労って、10日ほど前にキッカーが被せてあげた赤いヘルメットはまだそのままだった。
いつも不機嫌そうな顔をしているので、今度来た時は優しい黒目にしてあげたい。

富戸の浜遅い昼飯を食べ終わった頃、弓ヶ浜から出たハマちゃんが到着。
写真はハマちゃんから見えた浜の様子である。
「石廊崎はどうでした?」
「今までで一番穏やかでした」
全員集合。

P5030027_20170503.jpgイサキ 炙り刺身キッカーの釣果はイサキが1匹だった。
来る途中で会った釣り人何人かに聞いても、全く釣れていなかったので、1匹でも釣ってくれてありがたい。
ワンチャンが見守る中、キッカーが緊張しながら貴重な1匹を捌き、皮を軽く焼いて炙り刺身にしてくれた。
美味い!!

そして、毎回新兵器を登場させるハマちゃんは、ドライバッグ方式のクーラーに冷えたビールを入れて来た。
ご機嫌である。

P5030028_20170503.jpg17時半、ようやく暗くなって来た海を眺めるワンチャン。
前回のキャンプは、2015年夏の笹川流れ遠征らしい。
このマッタリした時間は日常生活の中では決して感じられないので、たまには参加しましょうね。

富戸の浜 夕焼け富戸の浜駿河湾を挟んで、対岸の御前崎に続く山が影絵の様に浮かんでいる。
すっかり陽が落ちた後、恒例のキッカーおとぎ話タイムが始まった。
「この前、この浜にもイノシシが出ましたよ。」
「向かって来なかった?」
「大丈夫でした。アイツら自分の縄張りを主張する為に尿を体に塗りつけてるせいか臭いんですよね。」
「なんで臭いってわかるの?」
「一度山で向かって来られたことがあって、持っていたピッケルで殺したことがあります。」
「え〜〜〜っ」

(2日目につづく)