晴れ男達の週末

久しぶりに沖縄へ "仕事で" 行くことになった。
例によって、月末と月初は横浜でやる仕事があるので、4月末で会社を辞める沖縄事務所のスタッフへの挨拶と、新しい事務所を見るだけの弾丸出張である。
ほとんど仕事中

そんな話をしたら、山登りの仲間(シュニン)が言った。
「一緒に行っちゃおっかなぁ〜」
速攻で決まってしまった。
暇でお金のある人間の行動は全く予測できない。
4月21日(土)の午後に成田から沖縄に向かい、シュニンは23日夕方の便で帰る。
私は23日(月)に丸一日仕事をして、24日(火)の朝一番の便で帰る。
天気予報はずっと雨で、昼間に遊べるのは一日だけだけど、念のためスノーケル道具だけは持って行くことにした。
「スノーケル持ってる?」
「無いっすよぉ」
「マリンシューズは持ってる?」
「無いっすよぉ」
「貸そうか?」
「お願いしま〜す」
スノーケルとマスクにシューズ、それと使わなくなった島ぞうりを紙袋に詰め込んだ。
「一式紙袋に入れて持って行くから、ギリギリのバッグで来ないでね」
「じゃバッグ変えて行きま〜す」
どうも、貸し出す荷物も私に持たせるつもりだったみたいだ。
油断できない…

IMG_4878.jpg余裕を持って家を出たはずなのに、東京駅のバス乗り場に着いたのは発車1分前だった。
すぐさま紙袋をシュニンに渡す。
「入っかなぁ」
とか言いながら、25リッターのリュックサックに押し込んだ。
シュニンとの二人旅は2009年以来になる。
北海道で食っちゃ寝

15時半に那覇空港に到着。
昼飯は飛行機に乗り込む前にサクッとサンドイッチを食べるだけにして、那覇に着いたらホテルにチェックインする前に泊港の近くにあるステーキ屋さんに行くことにしていた。
モノレールの美栄橋駅から10分ほど歩いて店の前まで来ると、「メニュー変更の為休店」の張り紙が…うぅ。
仕方がないので、老舗のステーキ屋にタクシーで向かう。

ホテルでシャワーを浴びてから、今宵の宴へ出陣。
まずは、腹ごなしも兼ねて国際通り界隈の中で最も怪しい「竜宮通り」にあるヒージャーの老舗に向かうことにした。
意地でも傘は持たない。

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店に到着。
無事にカウンターの席に陣取る事ができた。
この店は、とっても変わった店なので、よっぽど暇で心の広い人以外はお勧めできない。
サービスのトマトやスターフルーツ、お菓子などを貰いながら泡盛をチビチビやって待つこと2時間。
やっと我々が食べたかった料理が出て来た。

その後は、知り合いの友達がやっているモノマネパブに行き、ホテルへの帰り道で沖縄そばに寄る。
夜中にしっかり食べるのもどうかと思ったが、考えてみたら飲み始めてから食べたのは、やぎ炒めとフライドポテトだけだった。
道路を見ると、たくさん雨が降ったみたいだけど、我々は相変わらず傘も持たず無事にホテルへ帰還。
寝酒の泡盛を飲みながらシュニンが話し始めた。
「明日泊まるホテルを調べていたら、どうも出るみたいなんですよぉ」
「何が?」
「目の前が火葬場らしく、心霊現象が起きるとか…」
「え〜火葬場は無かったと思うけどなぁ」

P4220001.jpg二日目。
朝からドンヨリした空が広がり、天気予報は一日中雨。
レンタカーを借りて走り出すと、助手席に乗っているシュニンの肘の内側が何やら黒い。
「あれ?なんだろコレ?」
と言いながら、もう片方の腕を見ると、そっちも黒くなっている。
「もう呪われている?」

どしゃ降りの雨の中、高速を飛ばして備瀬へ到着。
突き当たりの海岸に車を停めると雨が止んだ。
とても海に入る気分の天気ではないので、フクギ並木を散策して時間を潰す。
シュニンは、まだ肘の一件を気にしている。
「なんだったのかなぁ〜」

IMG_4891.jpg海岸に戻ると、海外から来たと思われるカップルが水着になって海に浮かんでいる。
そのカップルと広がってきた青空を見て、「水も冷たいしなぁ」と迷っていたシュニンの心も決まった。
明るくなった海の中を1時間の浮遊。
海道具を持って来て大正解である。

IMG_4892.jpg1524369725700.jpg昨日の夜食べた沖縄そばはイマイチだったので、昼飯は名嘉真まで行ってソーキそばを食べる事にした。
駐車場では人懐っこいワンちゃんがお出迎え。
そして、注文したソーキそばはこんな感じで、シュニンはスープまで飲み干した。

IMG_4895.jpg腹が膨れたので、シュニンを隠れビーチに案内する事にした。
ところが、道を間違えてダイビングスポットで有名なトイレットボウルの方に行ってしまい、猫に道を塞がれる図。

IMG_4899.jpgもう一度、やり直して目的のビーチに到着。
ところが、近くで雷が轟き始めたので、慌てて退散した。
シュニンはこの場所が気に入ったらしく、「ここでキャンプしたらいいでしょうねぇ〜」とか言いながら盛んに想像を膨らませていた。

IMG_4904.jpg今日も1日傘をささないまま、今宵の宿に到着。
部屋はベッドルームが3つあるのに、ベッドメイクされていたのは一部屋だけ。
う〜ん…男二人の予約なんだから、できれば二部屋を使わせて貰いたかった。

「火葬場は無いですねぇ」
「夕飯まで時間があるから散歩してみる?」
我々が泊まるのは本館なので、別館の方に行ってみた。
すると…あ〜火葬場の意味がわかった。
建物のすぐ裏手に、大きなお墓が3つある。
沖縄のお墓は、ちょっと変わった形をしているので、コレが火葬場に見えたのかもしれない。
なんとなくシュニンはホッとしているが、今朝の腕真っ黒け事件が解決したわけではない。

IMG_4912_20180422.jpgIMG_4914.jpgサンセットタイムになったので、予約していたバーベキュー。
洗濯している間に雨も上がり、夕焼け空がお出迎えしてくれた。
もう雨は降らない。
晴れ男達の完全勝利である。

IMG_4924.jpg三日目。
今日は、シュニンに事務所まで車で送ってもらう。
ホテルの部屋を出ようとした時…あれ?私の靴が無い。
ハッ(^^;
靴を那覇のホテルに忘れてきた。
すぐにホテルに電話してみるが、どうも靴の忘れ物のは無かったらしい。
そんなはずはないので、「見つかったら連絡ください」と言って電話を切った。
ふむ…事務所には、島ぞうりで行かなければならない。

シュニンと別れ、事務所のスタッフと恒例のランチミーティングにやって来た。
快晴キラキラである!!

IMG_4925.jpgそして、新しい事務所を見学。
玄関には、すでにシーサーが置かれていた。

仕事が終わり那覇のホテルに着くと電話が鳴った。
「お客様の靴がありましたっ」
「10分後に取りに行きます」
島ぞうりで横浜に帰るつもりでいたので、なんとなくホッとした。

沖縄最後の夜は、いつも同じ沖縄料理屋に行っている。
ドアを開けて、私の席(別に予約をしているわけではない)につこうとすると、すでに先客がいる。
ふむ…この光景は、前にもあった。
案の定、それはフランネルのシャツを着た男だった。
今日も長い夜になりそうだ。
カナリアたちの日

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