日常に戻る時間 〜南三浦〜
12月29日 火曜日、たぶん2020年最後のパドリング。
6時半、菊名海岸に到着。
日の出の時間に間に合った。
菊名海岸にあるいくつかの駐車スペースには思ったよりもたくさんの車が停まっている。
ほとんどが釣り人の車で、波打ち際では等間隔で竿を投げ入れていた。
今日はここから毘沙門天を往復するショートトリップなので、カヤックの組み立ては後回し。
まずは、コーヒーを飲みながら刻一刻と変わる空と海の様子を楽しんだ。
太陽は昇ったものの、これから向かう方向はまだこんな感じ。
こういう雰囲気の海に漕ぎ出すのは、とても久しぶりな気がする。
この時間で8時。
雲の後ろに隠れた太陽が、人間には真似のできないライティングで地上を照らしている。
カヤックを回して後ろを向くと世の中はこんなに明るい。
そして、私の周りでは海がざわめき、海中ではまさに大捕り物が行われている。
恒例の "雨崎チェック"。
肉眼による確認では、今日の人口はゼロ人。砦の中にも誰もいない…ように見える。
波も穏やかなので7年ぶりに上陸してみようかなと一瞬考えたが、やっぱり秘境に足を踏み入れてはいけない。
⇨南三浦で真夏の新発見
で、前の写真から10分しか経っていないのに、太陽が隠れると相変わらずこんな感じ。
まるで重油で覆われたような海に見えるけど、海水は澄んでいる。
横瀬島に近づいた。
漁船や釣り船の出入りが無い無人の海を進んで行く。
臆病なウミウから順番に逃げていく。
いつも思うのだが、ウミウはなぜ他の鳥と同じように真上に飛び上がれないのだろう?
海面スレスレを必死な感じでテイクオフしていく。
テイクオフに失敗して海上に激突してしまう奴は見た事がないので、やろうと思えばできそうなものだけど…。
そして、これが岩場に残った勇気あるウミウ達。
顔はそっぽを向いているけど、横目で私の出方を伺っている。
面白かったのは、一番左にいる一羽。
何度か、飛び立つ仕草をしては思いとどまっていた。
彼(彼女?)の心理状態が手に取るようにわかってかわいい。
横瀬島の裏側(南側)を漕ぎ抜けて毘沙門の浜に上陸。
昼飯には早いのでコーヒーと行動食だけで休憩。
そこら中にプラスチックごみが散乱していたので、目につくごみを回収した。
帰りは横瀬島の表側(北側)を通る。
透き通った海もいいけど、こういうなんとも言えない色の海もいい。
ほぼ8年ぶりに戸津浜の入り江に上陸し昼飯。
今日出会ったカヤッカーは剣崎先端ですれ違った2艇だけだった。
この浜は、以前キャンプした事もあるけど、その頃とは地形が変わっている。
⇨新艇披露キャンプツーリング 2日目
菊名に戻って撤収。
今年は、どこに行くにもマスクが手放せないヘンテコな1年だった。
そして、海や山に出かけている時だけが日常だった。
はてさて、2021年はどうなるんだろうか?
できれば、今日の海のようなクリアな世の中が戻ってきて欲しい。