お酒の入る別腹

山岳会女子1号とシュニンが、窮屈な日常からの脱出企画を立てた。
まぁ企画を立てた…と言っても行ける日にちを決めただけで、場所と集合時間、移動方法を決めるのは私である。

私に使命が託された以上、昨年の奥飛騨脱出に引き続き、"飲むためだけ"の脱出計画を立てることにした。
場所は比較的暖かいであろう伊豆か千葉、4〜5人が泊まれる快適な室内空間とテラス、清潔なお風呂とウォシュレット付きトイレが必須条件。
そして、"決められた時間内で食べなさい" 的な民宿や旅館よりも、ダラダラと飲み続ける方が好きな私が選ぶのは、当然貸別荘である。

候補の貸別荘はすぐに見つかり、4人で予約を入れた。
万全な感染対策を目指す山岳会女子2号は「ちょっと考える」ってことだけど、千葉の貸別荘で重傷を負ったブチョウは、未だに当会企画への参加が奥様から禁止されており不参加。
天国から地獄

大まかな企画はこうだ。
「宿は、アーリーチェックイン&レイトチェックアウトにし、24時間のんびり滞在。初日は鍋、翌日のランチは窯を借りてピザ。」
シュニンに買い出しの権限を与えると、肉ばかり買ってしまうので、買い出しするマーケットでは常に監視、そして、鍋は問答無用で海鮮鍋にする。

女子2号の不参加が決定し、残念ながら当日は3人だけになった。
3人であれば、普通なら車1台で行きたいところだけど、密室での長時間移動を避けるため2台で行くことにした。
ちなみに、シュニンは昨年、トヨタC-HR(ガンダム号)からヤリスクロスに車を替えた。
ヤリスクロスを正面から見ると、水木しげるの一旦木綿(いったんもんめん)にそっくりだと思うのは私だけだろうか?

雨模様の135号線を南下する。
13時チェックインを逆算し、下田辺りで昼飯と買い出しをすることにした。
しかし、下田市内はコロナの蔓延防止対策で閉まっている店が多い。
仕方なく、伊豆急下田駅構内にある食事処に入ってみたら、なんとロボットが配膳している。
これを見て、味には全く期待はできなくなった。
海鮮丼のクォリティがイマイチだったのは日曜日だからなんだろうか?ちょっとガッカリ。

買い出しはAOKIにした。
野菜売り場を3人で見て回った後、私は魚売り場に向かった。
肉を買わせないようにシュニンを見張るのは、女子1号の役目である。
鍋に入れる魚介類プラス、煮付け用の金目をバスケットに入れた。
適正酒量判定大臣の女子2号がいないので、酒の買い出しは難しい。
個人的に持ってきたテキーラやウィスキーもあるので、購入はビール半ダース、スパークリングワイン、赤ワイン、日本酒5合(鍋用)となった。

IMG_7649.JPGIMG_7657.JPG宿に到着。
割り当てられたのは、何棟かある内の最も高い場所にある棟。
ここに荷物を運び入れるだけで、普段運動不足のシュニンはへーこら言っている。

到着ビールでは、つま缶を開けた。
ここまでは、想定内である。
ところが、シュニンが持ってきた「焼肉屋さん」という卓上コンロを出してから怪しげな酒宴が始まった。
いつの間にか購入されていた、極太ちくわ(3本)、やきとり(たっぷり)、豚トロ(たっぷり)、手羽先(たっぷり)、サザエ(3つ)が、続々と登場…まぁサザエはいいとして、昼飯と晩餐の間に食べる量としては明らかにおかしい。
女子1号に問いただす。
「肉を買わせないように見張ってなさいって言ったのに…」
「だってぇ、これは美味しいんですよぉとか、これも美味しいんですよぉ…とか言うんだもん。」
「そおは言っても、自分でも食べれると思ったんでしょ?!」

やきとりと豚トロの間で、金目の煮付けが出来上がった。
これは私が選んだ食材で、三切れに分かれていて、かつそれぞれが小さい。
順番にお風呂に入りながら、なんだかんだと飲み続けてしまい、鍋など入る隙間がないくらいお腹が一杯になってしまった。
そして、いつもの時間に私は眠くなり…布団行き。

翌日、私は普段通りに起床。
確信犯2名が何時まで起きていたかはわからないが、「初日は鍋」企画は、木っ端微塵に崩れ去り、鍋用の食材は手付かずのまま冷蔵庫に入っている。
しかし、不思議なことに鍋用に買っておいた日本酒5合がほぼ空。
鍋は入らなくても、お酒の入る別腹はあったらしい。

IMG_7666.JPG11時、予約していたピザの時間になった。
雨は朝に止んでいたので、無事テラスでピザができる。

管理人さんが、重いピザ窯をテラスに設置し、使い方をレクチャーしてくれた。
各自がめん棒で生地を伸ばし、トッピングをしてピザ窯に投入。

IMG_7667.jpgIMG_7668.JPGあっという間に美味しそうなピザが完成。
最後の1枚(写真なし)は、窯の温度が上がりすぎたせいか少し焦げ臭くなってしまったけど、2枚は大成功。
鍋はできなかったけど、初日のチグハグはこれにて帳消。
窮屈な日常からは、とりあえず脱出できた。

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