バレーボールのルールと考察

私は、中学から高校そして、高校卒業後も少しの間クラブチームでバレーボールをやっていた。
チーム

高校時代のチームメイトとは、今でも集まる度に毎回同じような話をしては盛り上がっている。
昨日も "買いすぎたかもしれない"的な酒を片っぱしから空にしつつ、昼12時から夜22時近くまで10時間(!!)の宴会が行われた。

IMG_6025.jpgその席の冒頭、皆んなが話す話題はパリオリンピックでの日本チームの戦いっぷりについて。
オリンピックを1ミリも観ていないばかりでなく、選手の名前を一人も知らない私は、全く話についていけない。
唯一話に参加できたのは、現在のバレーボールのルールについてだった。
「リベロって何?」
と言う質問を私が問いかけると、皆んなの口が一斉にアングリ開いた。
私は、今のルールが全くわからない。

翌日、私がやっていた頃から変わったルールについて、変更の歴史を調べてみた。
細かいものを含めたら、もっといろいろあるかもしれないけど、とりあえずこんな感じ。

1977年 ブロックのワンタッチはノーカウント
1989年 サーブのブロックは禁止
1995年 腰から下でのレシーブはOK(※1)
1995年 サーブやスパイクのレシーブではホールディングやドリブルはOK
1998年 リベロ制(※2)の導入
1999年 ラリーポイント制(※3)と1セット25点の5セット制の導入
1999年 サーブのネットインはOK
2007年 ネット上で両チームの選手がボールを押し合ってもプレー続行(※4)
2009年 タッチネットの緩和(※5)
2009年 センターラインオーバーの緩和(※6)
2014年 ビデオ判定(チャレンジシステム)の導入(※7)

(※1) 足を含む体のどの部分を使ってレシーブしてもOK。ただし、サーブを足でレシーブするのは反則。以前は腰から下に当たったりレシーブしたりすると反則だった。
(※2) リベロという名前で守備専門のプレイヤーを導入した。リベロは、ネットより高いボールのスパイク、ブロック、サーブはできない。
(※3) 試合時間短縮の為、サーブ権がなくても点が入るようにした。以前はサーブ権のあるチームだけに得点が入る15点サイドアウト制だった。
(※4) ネット上で両チームの選手がボールを押し合ってもプレーを続行し、試合を止めないようにした。以前はダブルフォールトとしてプレーを止め、ノーカウントでサーブからやり直していた。
(※5) プレイヤーがネットに触っても、相手のプレーを妨害しない限りOKになった。以前はネットを触ると反則だった。
(※6) 上半身が相手コートに触れても、相手のプレーを妨害しない限りOKになった。以前は両手がセンターラインを超えて相手コートに触れると反則だった。
(※7) ボールのイン/アウトやタッチネットなど審判の判定に意義がある場合に、チーム側からビデオによる再判定を申し出られるシステム。1セット2回までチャレンジでき、チャレンジが成功すると(判定がくつがえると)回数は減らない。

バレーボールの英語表記は「volleyball」。volley=ボレーなので、本当は「ボレーボール」が正しい。
ボレー(volley)とは、ボールを地面(コート)に落とさないで打ち返す行為で、代表的なスポーツがバレーボール。
シャトルを地面に落としてはいけないバトミントンも、ある意味ボレー競技と言えるかもしれない。

スポーツが生まれる背景には、すべて基本ルールが存在する。
サッカーは "手を使ってはいけない" が基本ルール。
バレーボールは "足を使ってはいけない"、"3回以内に相手のコートに返す" が基本ルール。
これは、6人制でも9人制でも変わらなかった。
私が中学でバレーボールを始めた時は、9人制の時代で、中学2年の途中(?)から6人制に変わった。
9人制は、ローテーションもなかったのでポジションは固定、アタックラインという概念もなく、誰がネットの近くでスパイクしてもOKだった。
いきなり6人制に変更されても、基本ルールは同じなので、すぐに対応することができた。
このバレーボールの基本ルールを変更してしまったのが、1977年と1995年である。

サッカーがある日突然ルールを変更し「手を使ってもいいですよ」となったらどうだろうか?
バスケットボールがある日突然ルールを変更し「足を使ってパスしてもいいですよ」となったらどうだろうか?
私が、バレーボールを見なくなったのは、1995年の頃である。
テレビで観たその試合は、以前のバレーボールではなくなっていた。
そんな自分なので、今回のバレー部の宴会では私だけがリベロのルールを知らなかった。

私は、どんなスポーツでも基本ルールを大切したシンプルなルールが好きである。
その点、基本ルールを大切にしているサッカーやバスケット、テニスなどは素晴らしいと思う。
反対に、基本ルールを捨ててしまった現代のバレーボールには魅力を感じない。
そもそもリベロっているの?…って感じである。
身長の低い人でも活躍できるように…という導入意図がわからない。
今の日本チームの選手は誰一人知らないので、ネットで調べてみた。
リベロは山本智大という選手で、身長は171センチ。
長い間全日本で活躍し、ミュンヘンオリンピックで金メダルを獲得した天才セッター猫田勝敏選手の身長は179センチ。
身長で8センチの差は大きいかもしれないけど、猫田選手は "バレーボール20世紀最優秀賞特別賞" を受賞するくらいの選手だった。
猫田勝敏氏 国際バレーボール殿堂入り(外部サイト)
そして、Wikipediaに面白いエピソードが紹介されていた。
…(以下Wikipediaより抜粋)…
盟友の大古誠司は「全盛期、全日本が負けると『セッターの猫田の責任だ』とマスコミに叩かれ、大勝すると『攻撃陣大活躍』という活字が新聞に踊ったが、当時のメンバーだけは知っている。負けたのは全部アタッカーのミスで、勝った試合は全部猫田のトスのおかげだ」と語った。
…(ここまで)…
ちなみに、大古誠司選手は、私と同じ中学の先輩である。

少し横道に外れてしまったけど、私が上記のルール変更で "まぁいいんじゃない" って思えるのは、たった一つ…
2014年に導入された「ビデオ判定(チャレンジシステム)」だけである。

[参考資料]
全国の中学,高校,大学,実業団,Vリーグの指導者に対して行われたアンケート講査。
バレーボールのルール変更に対する指導者の意見調査(調査期日1997年5月〜7月)
https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/R000000847/1-500.pdf

IMG_6037.JPGライバル高校との練習試合(前列右から3番目が私)