ピキーンとジンジンの山歩き 八ヶ岳1日目〜硫黄岳〜

1年前、下山後の日帰り温泉で履き替えた靴で私を脱力させた "使える女たち" と1年ぶりに山歩きをすることになった。
イタリア旅行中のパーヤマは、怪我で欠席した昨年に続き不参加である。
使える女と褒められたい男 〜那須岳〜

第一候補日だった9月第三週は、雨女(誰?)と風男(私?)が復活して中止決定。
やる事がなくなってしまったその日、居酒屋で行われた決起集会では、第二候補日に向けて「次回こそは!」と喝を入れた。(誰に?)
ちなみに「決起集会」とは一般的な「飲み会」とは違い、成功に向けてメンバー全員の意識と士気を高め合う会のことを言う。
出てきた料理を一目散に食べ始め「これ美味しいねぇ」とか言っている場合ではないのである。

そして、第二候補日だった10月2日がやって来た。
決起集会の効果があったようで、天気は初日のみ快晴予報。
この際贅沢は言ってられないので、2日目が雨の場合はそのまま下山する覚悟で桜平に向かった。
今回は山小屋に一泊して、硫黄岳と根石岳を周遊する。

A3の底を2回ぶつけながら桜平の駐車場(中)に到着。
隣に車を停めていたソロ男性と話をしながら、準備をする。
その男性は、ソロで山歩きをすることが多いらしく、今日は日帰りで硫黄岳に登る。
「よく本沢温泉の露天風呂に行くんですが、最近は "ゆるキャン△" で紹介された影響で、若い人達がたくさん来るんですよぉ。露天風呂はまっぱで入るんですが、この前なんか後からやってきた若い人から"変なおじさんがいる〜"って言われてしまいました。」
俗に言う聖地巡礼ってやつらしい。
"ゆるキャン△"っていうアニメ(?)は見た事がないので、どんな内容なのか全くわからないけど、静かだった場所がいきなり聖地になり人で溢れかえる現象は時々目にする。
さよなら富浦

IMG_6461.jpg夏沢鉱泉に到着。
快晴!!

241006_11.jpg(撮影:セト)

オーレン小屋に到着。
快晴!!
ここで昼飯にする。

IMG_6474.jpgIMG_6475.jpg女性陣はボルシチ、私は牛カルビ丼。
食事をしながら午後どちらの山を登るか作戦会議。
確実に天気がいい今日硫黄岳に行くことにした。
1年に1回しか山歩きしない女性陣にとっては、初日に1,000メートル近い累積標高を稼ぐルートは大変かもしれないけど、頑張ってもらうしかない。
そう言っている自分も、初日は高山病発生率が高いので油断はできない。

IMG_6479.jpg軽いリュックに替えて出発。
夏沢峠に到着すると、爆裂火口が姿を現した。
たしか2015年8月にこの場所にやって来た時は、ガスに覆われて見えなかった。
山びこ荘とヒュッテ夏沢は既に今年の営業を終了している。

IMG_6481.jpg夏沢峠から20分登り、南佐久郡を見下ろせる場所。
そろそろ森林限界。

IMG_6483.jpgここを抜け、つづら折りに続く道を登っていくと、我々よりも年配な女性パーティとすれ違った。
トレッキングポールも使わず、すたすた下っていく様子を見ていると、なんだか元気をもらえる。

IMG_6486.jpg山頂が見えた。
この青空は "八ヶ岳ブルー" って呼んでいいのかな?!

IMG_6488.jpg振り返ると、根石岳の先に天狗岳、そのまた後ろに蓼科山が見えた。

IMG_6489.jpg歩いている時は気づかなかったけど、こんな地形の場所を歩いてきた。
とてもダイナミックで、個人的に好きな景色。

IMG_6492.jpg爆裂火口が目の前。
ここが火口かどうかは賛否あるようだけど、迫力がある地形だってことには変わりがない。
それよりも、この地形が一瞬でできたのか、長い時間をかけてできたのか…って事の方が興味あり。

だだっ広い硫黄岳の山頂に到着。
"使える女たち" 頑張りました!!
しかし、下り坂で太ももがピキーンになるセトの試練はここからである。

IMG_6500.jpg赤岩の頭に向かうザレ場で超慎重に下る "使える女たち"。
この空の蒼さは "八ヶ岳ブルー" で間違いなし。

PA020001.jpg赤岩の頭辺りは、日向山のような白い砂地。

IMG_6503.jpg赤岩の頭直下の分岐に到着。
太ももピキーンのセトは、休む間もなくストレッチに余念がない。
※ちなみに、この写真はストレッチ中の写真ではありません。

PA020002.jpgオーレン小屋への下り道。
セトは太ももピキーンで、その都度ストレッチ。
ユキちゃんは、つま先がジンジンしてきたらしく辛そうに立ち止まっている。
ピキーンとジンジンが停止。

ピキーンは、ストレッチして騙し騙し下るしかない。
ジンジンは、登山靴のトラブルっぽい。
執事状態の私が両足から靴を脱がせ、つま先側の紐を緩めてあげたものの、ジンジンは自分で靴を履くことができない。
シンデレラ?
王子様役の私が、ひざまずいて靴を履かせてあげると…ジンジンが解消。

PA020004.jpgオーレン小屋に続く道。
秋の気配を感じられて、とても気分がいい。

PA020009.jpg素晴らしい雰囲気の森の中を歩き、15時45分、オーレン小屋に帰還。
夕食は17時からなので、到着宴会は諦めて到着ビールだけで乾杯する。
残念ながらオーレン小屋には生ビールがなく、缶から飲むビールではイマイチ満足感に欠ける。

お風呂は夕食前に入った。
まぁお風呂があるとは言っても、山小屋なので石鹸やシャンプーは使えず、蛇口からはお湯が出ない。
風呂桶からお湯を汲んで身体を流し、頭は蛇口の水を被った。
私がお風呂に入っている時、ピキーンにピキーンが発生し、アラレもない姿でのたうち回っているところをジンジンが発見した。
私が第一発見者だったら大変困ったと思う。

夕食はオーレン小屋名物の桜鍋。
なぜか、以前宿泊した時よりも食堂が小さく感じる。
食後は小屋の外へ移動し、ピキーンとジンジンはホットワインで温まる。
私は普通のワイン。
お腹が一杯だけど、持って来た食材をそのまま持ち帰るのは癪なので、舞茸とピザ用チーズで一品作る。
簡単なのに、ワインにピッタリ。
テント泊の人達が我々の横を通ってお風呂に入りに行っている。

辺りが暗くなったので、小屋の灯りが届かないテント場に行き、空を見上げた。
天の川の脇を、人工衛星が音もなく通り過ぎていく。
明日の天気は午前中は曇り。
せっかくなので、予定どおり根石岳に行くことになった。
気温は10℃を下回っていて、まぁまぁ寒い。

(2日目につづく)