マイナ保険証インパール作戦
2024年12月2日、今日からこれまでの保険証の新規発行がされなくなった。これは、厚生労働省が医療機関向けに作ったポスター。
また、デジタル庁では2024年7月11日から、こんなテレビCMを放映していた。
⇨健康保険証は、マイナンバーカードへ。
「あ〜12月2日から保険証が使えなくなるのかぁ」と思った人は、厚生労働省とデジタル庁の思う壺である。
厚生労働省のサイトを見ても、マイナ保険証の情報がどこにあるのかわからない。
⇨厚生労働省
テーマ別に探すのページを見てもマイナ保険証関連ページへのリンクはない。
⇨テーマ別に探す
一日中探しても見つけられそうになかったので、サイト内検索をして見つけたページがコレ。
⇨マイナンバーカードの健康保険証利用について
25年くらい前の古いhtmlで書かれたわかりづらいページでは、何兆円もかけた事業を説明するものに見えないし、マイナ保険証の登録状況や利用状況もわからない。
国が情報を見えづらくしている時は、何か国民に知られたくない "裏" がある時が多い。
仕方がないので、東京新聞の記事に頼ることにする。
⇨マイナ保険証の利用率、10月でも15.67% 紙の保険証廃止が目前なのに…
この記事によると、2024年11月現在では…
- マイナンバーカードの保有率 75.7%
- マイナ保険証の登録率 62%
- マイナ保険証の利用率 15.67%
らしい。
さて、ここからが本題である。
2024年12月2日以降、健康保険資格の確認方法はこうなる。問題なのは、ポスターやテレビCMを見た情報音痴の人達である。
ポスターやテレビCMを見た多くの人は、「早くマイナ保険証を使えるようにしないとっ」って思ったことだろう。
マイナンバーカードは、4人に3人が持っているので、医療機関にある顔認証付きカードリーダにマイナンバーカードを差し込み「はい > はい > はい」とタッチしていけばマイナ保険証の登録ができてしまう。
画面に表示される注意喚起の文字は、ほとんどの人が読まないだろう。
そして、これまでの保険証はハサミで切って捨ててしまう。
こうなると、その後はマイナ保険証一択である。
病院に行く度(!!)に確認が求められる顔認証付きカードリーダでは、資格確認がうまくいかない事例が多発している。
⇨「資格確認できない」「窓口負担誤登録」12月2日以降も相次ぐマイナ保険証トラブル
資格確認ができなくても旧来の保険証を持っていれば大丈夫だけど、保険証がない場合、医療費は最悪10割り負担になる。
厚生労働省の説明では、「被保険者資格申立書をダウンロード・出力し、可能な限り記入の上、医療機関等の受付窓口に提示してください。」との事らしい。
こんなの普通の人には理解できないでしょ?!
カードリーダのエラー対応をしいられる医療機関の人も大変だと思う。
そして、今年から発生するのは、マイナンバーカードの更新問題である。
マイナンバーカードの有効期限は「10年」(未成年者は5年)だけど、カードに格納されている電子証明書の有効期限は「5年」。
その都度、役所に行って更新しなければならない。
⇨マイナンバカードの罠
来年の12月2日には、旧来の保険証は使えなくなる。
マイナンバーカードにマイナ保険証を登録している62%の人は、嫌でもマイナ保険証を使わなければならない。
もし、めんどくさい思いをしたくなければ、旧来の保険証が使えるうちに、マイナ保険証の利用登録を解除した方がいい。
全国保険医団体連合会でも、「マイナ保険証利用登録解除」を勧めている。
⇨マイナ保険証利用登録解除 800自治体で絶賛受付中!
さて、そんな話をしている私はどうかというと、私はそもそもマイナンバーカードを持っていないので、マイナ保険証に煩わされることはない。
病院に行った時は、これまで通り旧来の保険証を月に1回提示するだけだし、そのうち「資格確認書(保険証と同じで名前だけが違ったもの)」が送られてくるので、それを持って病院に行くだけ。
⇨資格確認書発行は2025年12月2日以降
これまでの保険証と同じ。
そして、マイナンバーカードの更新で役所に出向く必要はない。
最後に…
マイナンバーカードの説明で「コンビニで各種証明書(住民票の写し、印鑑登録証明書など)が取得できる。」とある。
はてさて、住民票の写しや印鑑登録証明書が必要なのは、どの程度の頻度であるだろうか?
私は、最寄りの行政サービスセンターで取得できるので、煩わしいと思ったことは一度もないし、ここ数年は必要になったこともない。
それよりも、マイナンバーカードの更新の為に、5年ごとに役所に出向く方が面倒だと思う。
[参考]
マイナ保険証については、北畑 淳也さんの「マイナ保険証 6つの嘘」が詳しい。