悲しいスタート

2024年1月1日
16時10分、能登半島で非常に大きな地震が発生した。
震度「7」。
とんでもない事が起こってしまった。
ネットよりもテレビで何かやっていると思い、テレビの入力切替ボタンを押して地上波放送を映した。
しかし私は、どこの放送局が何チャンネルか知らないので、1チャンネルから順番にチャンネルを切替え、臨時放送をしているチャンネルを探した。(私はNHKを観れない)
アナウンサーが仕切りに「逃げてください」と連呼するだけで、現地の状況がイマイチわからないし、気になる奥能登や志賀原発の情報もわからない。
震度7を記録したのは、原発のある志賀町である。
津波の警報が出ている。
震源地が、はっきりわからない。


2024年1月2日
能登半島のニュースを見ている時、羽田でJALの旅客機と海上保安庁の飛行機がぶつかり、JAL機が炎上している衝撃的な映像に切り替わった。
なんという正月だろうか…。
JAL機の乗客が全員脱出できたという情報が入りホッとしたのも束の間、海保機の乗員5名が亡くなったことを知った。
海保機は、災害のあった能登へ救援物資を届ける役目があったらしいので、二次災害と言えなくもないけど、なぜ羽田からだったんだろう?
調べてみたら、羽田空港内に「羽田第三管区海上保安本部 羽田航空基地」というのがあった。
なぜ過密化している羽田にあるんだろうか? なぜ厚木や横田じゃいけないんだろうか?
よくわからない。


2024年1月3日
珠洲市上戸地区では津波が集落を襲い、悲惨な状況になっていた。

この場所は、2023年5月の能登遠征で訪れた場所。
3日目の朝、能登町の五色ヶ浜に車をデポしに行き、自転車で珠洲市へ戻る途中この集落の中を走り抜けた。
その時は、どこにでもある集落だと思っていたけど、海から見えた家並みがとても美しかったことが記憶に新しい。
無理やりワンウェイ 奥能登3日目〜珠洲から五色ヶ浜〜
カヤックで、この場所にさしかかった際、たまたま動画を撮っていたのでYoutubeにアップした。

離れているので、よくわからないと思うけど、大きなビルや建物がいっさいない穏やかな雰囲気の集落だった。

そして、2023年5月の地震に引き続き見附島が崩れた。
地震前に私が見た見附島とは、まるで別の島のようだ。
地震の揺れで崩落が拡大した見附島(外部サイト)
海岸から見えない南東側が崩れ落ちた見附島(2024.1.22更新)

その後、こんなニュースを目にした。
珠洲市長「市内の9割が全壊か、ほぼ全壊」(外部サイト)
悲しい…街の人達は無事なんだろうか?


2024年1月4日
震源地が、はっきりわかった。

map_20230101shingenchi.jpg津波が発生したので、てっきり海かと思っていたら、2023年5月5日の大地震の震源地と同じ辺りの内陸だった。
それでも、珠洲市や能登町を津波が襲った。
2023年5月5日の地震は、マグニチュード6.5。
そして、今回の地震はマグニチュード7.6なので、その差は「1.1」。
マグニチュードが「1」アップすると、地震のエネルギーは32倍になる。
2023年5月5日の地震の際、私は「震源地が内陸だったので津波は来ないと思った」と、当時のブログに書いていたけど、それは間違いだった。
地震の規模やメカニズムによっては、震源地が海でなくても津波は来る。


今回の巨大地震について、専門家は「想定を超えたものだった」と話している。
こんなコメントは聞き飽きた。
日本にある「地震予知連絡会」「地震調査研究推進本部」「地震防災対策強化地域判定会」は、何か役立つ成果をあげているんだろうか?
予兆と余震

(あとがき:2023.1.10)
石川県の「企業立地ガイド」では、こんなページを公開して、企業を誘致していた。
データで見る石川のポイントの「立地環境」のところには、こんな記載がある。
「2021年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布から、石川県の地震リスクは小さいと言えます。」
データで見る石川のポイント(外部サイト)
これは、国の「地震調査研究推進本部 地震調査委員会」が公開したデータを元にしているので、石川県が悪いわけではない。
全国地震動予測地図(外部PDF)
今回、このエリアで国が予想していない地震が起こったことで、国のデータは当てにならないことが証明された。
確率論的地震動予測地図 中部地方(外部PDF)
震源断層を特定した地震動予測地図 中部地域2(外部PDF)
もし、このデータや断層のデータを元に原発の設置場所を決めているとすれば、それは何の意味もない。
一刻も早く、日本の原発は全て停止・廃炉すべきだと思う。

そして、北陸電力の志賀原子力発電所は、震度7を記録した志賀町にある。
この原発の被害について、政府は当初「異常がない」と言っていた。
しかし、その後の北陸電力の説明では、1号機と2号機の変圧器の配管が壊れ、約7100リットルの油が漏れ出た事がわかった。
「この影響で、外部から受電する系統の一部が使えなくなり、別の系統に切り替えて電源を確保した。」と言う恐ろしい障害にも関わらず、サラッと説明している。
震度7の志賀原発で変圧器の配管損傷、油漏れ(外部サイト)
より詳しい情報はコチラ
志賀原発 外部電源一部使えず 安全上重要な機器の電源は確保(外部サイト)

(あとがき:2023.1.5)
変圧器の配管が壊れたことで漏れた油は、当初発表の5倍以上の2万リットルであることがわかった。

また、原発周辺にある15カ所のモニタリングポストで放射線量の測定ができなくなっていることも判明。
志賀原発の周辺15カ所で放射線量を測定不能(外部サイト)
"異常がない" どころか異常だらけである。

幸いにも、この原発は、稼働を停止していたからよかったものの、2023年3月時点では再稼働に向けて不可解な判断が下されていた。
⇨2023年3月 「志賀原発敷地内に活断層はない」規制委が北陸電力の主張を了承(外部サイト)
⇨2023年11月 経団連・十倉会長 志賀原発視察「早期の再稼働を期待したい」(外部サイト)
⇨2023年12月 志賀町贈収賄事件 小泉前町長 3回目の起訴(外部サイト)

2011年の福島第一原発の教訓は何も生かされていないどころか、政府と "ぐるな連中" は、原発の再稼働に躍起である。
国民は福島の事を忘れているかもしれないが、12年以上経った今でも状況は何も変わっていない。

(あとがき:2023.1.6)
志賀町や輪島市では、あちこちで道路が寸断されていている。
原発に何かあった場合の避難計画は陸路を
下記のページで、志賀町が作成した避難計画書を見る事ができる。
避難計画(原子力災害)の策定(外部サイト)
なんとこの計画書には目次が無い。
大事なことは、ここに書いてある。
 第5章 広報及び指示、伝達 16ページ
 第7章 住民の避難体制 20ページ
「基本的避難ルートは、国道、県道などの主要な幹線道路とする。」と書いてあるが、道路が寸断されていたら避難できない。

(あとがき:2024.1.7)
1月5日に放送された「NHKスペシャル 最新報告 能登半島地震 〜命の危機いまも〜」をNHKオンデマンドで観た。
現地の悲しい現実に胸が締め付けられた。
それにしても政府の対応があまりにも遅い。
瓦礫の下にまだ沢山の人がいるのに、自ら陣頭指揮を執ると言った岸田首相は、経団連、経済同友会、日本商工会議所など3つの新年会をはしごした。
被災者よりも、お仲間の方が大事らしい。


最後に、昨年の遠征時でブログに載せていなかった写真をアップしておこうと思う。
被災地には、まだ行方がわからない方が沢山いるし、真冬の避難所が居心地がいいとは思えない。
今回の地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方々のご無事をお祈りしています。

IMG_1480.jpeg震源地に近い木ノ浦海岸P5040090.jpeg珠洲市の粟津海岸(あわづかいがん)P5040103.jpeg市街地前にある消波ブロックの中を通り目的地へ向かうP5040106.jpeg珠洲市で泊まった民宿に近い海岸IMG_1484.jpeg珠洲市で飲み食いした店「とんき」
おばあちゃんは無事だろうか?P5050124.jpeg正面からの写真が多い見附島を横から見たところ