2024年モータースポーツシーズン開幕

3月10日 日曜日、今年のモータースポーツ予想をする前に、2024年シーズンのF1が既に2戦が終わり、SUPER FORMULAも第1戦が終わった。
昨年に引き続き、このブログは、その結果を知った後に書いている。

redbull-RB20.jpegまずはF1。
ものすごいデザインで登場したレッドブルのニューマシン "RB20" を駆ったフェルスタッペンが、今年最初の2戦を圧勝した。
これだけ圧勝が続くと、国際映像ではトップを走るフェルスタッペンはほとんど映らない。
来年の契約がなさそうな崖っぷちのペレスは、今年はチャンピオン狙いを初めから諦めているようで、肩の力が抜けたのが幸いして2戦とも2位。
ベストなマシンに乗っていながら、セカンドドライバーに甘んじるドライバーは、見ていてつまらない。
その他のチームの序列は、ほぼ昨年の後半戦のまま。
事前の予想に反した結果になっているのは2チーム。

Komatsu-Magnussen-2024.jpg一つは、ハース。
チーム代表が、ギュンター・シュタイナーから小松礼雄に代わり、チームの雰囲気がガラッと変わった。
昨年までは、"行き当たりばったり" 的なイメージだったけど、今年は明確な目標を持って、一歩づつ着実に戦っているように感じる。
第2戦サウジアラビアGPでのマグヌッセンの件については、様々な意見があるようだけど、これはルールの盲点を突いてはいるものの合法。
この作戦をあの状況で小松礼雄が瞬時に考えたのだとしたら、すごいことだと思う。
もし、RBの戦略チームが "この作戦の意味" を理解していたら、レースが終わってから文句を言うのではなく、その瞬間にレースコントロールに対して「ポジションを戻させるべきだ」と文句を言っていたはずだ。
ドライバーも自分の役割をわかっているようで、まさに "チーム一丸" となっている。
今年は要注目のチームだと思う。

rb-manager-2024.jpgもう一つはRB。
チーム名をなんて呼ぶのか開幕前から変な意味で注目を集めていたけど、F1公式サイトのチーム紹介では「RB」となっている。
RB=アールビー…?
個人的には、なんの愛着も持てないチーム名だと思う。
開幕前のテストが始まるまでは、昨年成功したレッドブルのマシン"RB19"のコピーになるのではないか…と噂され、他のチームからクレームが入りそうだったものの、実際に走り始めたらそんなクレーム話は瞬時に無くなった。
要は、遅かったからである。
いったい、この原因はどこにあるんだろうか?
レギュレーション上、バリバリのコピーマシンは許されないけど、他のどのチームよりも"RB19"の技術的な情報は手に入ったはずである。
そして、チーム首脳が一新されたにも関わらず、戦略…特にストラテジーのヘボさは昨年までと変わらずF1のレベルにはない。
2戦が終わった時点で、奮闘しているのはドライバーの角田裕毅だけ…という有り様だけど、今年はチーム間の力が僅差なので、何かのカードを手に入れられたら、ポンと上位に食い込める可能性はある。
第3戦オーストラリアGPまで2週間あるので、是非ともチームを立て直してもらいたい。

ってことで、今年の予想である。
残念ながら(!?)、チャンピオンはフェルスタッペンで決まり。
これだけ勝ち続けていると、精神的にも一段階上の状態にあり、ちょっとやそっとの事では崩れそうもない。
問題は、2位である。
普通ならレッドブルのもう1台を駆るペレスで決まりだと思うけど、そう簡単にはいかないような気がする。

tsunoda-2024.jpg角田裕毅はどうか?
なんとなく、サマーブレークまでに一発やってくれそうな気がする。
そして、現行レギュレーションで行われる最後の年である2025年は、ペレスに代わってレッドブルに乗って欲しい。
ハミルトンとアロンソを除く17人のドライバーの中で、フェルスタッペンと真っ向勝負できるのは3人しかいない。
その1人が、角田裕毅である。
私は今年も「F1 TV PRO」で観戦する。

次は、SUPER FORMULA。
レッドブルジュニアで最もF1に近い岩佐歩夢、昨年のF2チャンピオンであるテオ・プルシェール、そして現時点ではまだ女子高生(!!)である野田樹潤(Juju)の参戦など、話題は盛りだくさん。
岩佐歩夢は、昨年のF2でランキング4位。
昨年最終戦までSUPER FORMULAでチャンピオン争いをしてランキング2位になったリアム・ローソンの後任として、レッドブルから送り込まれた。
テオ・プルシェールは、昨年までF2を戦い、2021年はランキング5位、2022年は2位、2023年は念願のチャンピオンに輝いた。
昨年に引き続き今年もザウバー(2023年はアルファロメオ、2024年はキックザウバー)のリザーブドライバーを務めながらSUPER FORMULAに参戦することを決めた。
野田樹潤(Juju)は、何年もヨーロッパを拠点にして様々なレースシリーズに参戦してきた。
昨年は、イタリアのZINOX F2000シリーズをメインに、ユーロフォーミュラ・オープン(EFO)にも参戦した。
EFOは、ヨーロッパで行われるF3規格の選手権だけど参加台数は6-8台、36台が参加するF3の世界選手権「FIA F3」とはレベル的に比べられない。
Jujuは、ZINOX F2000でシリーズチャンピオン、EFOでもポールリカールで1勝をあげたものの、実際にどれくらい速いのかは誰もわからない。
そして、今年選んだシリーズは、なんとSUPER FORMULA!!
フォーミュラカーのレースとしては、F1に最も近いシリーズである。

昨年12月に行われたルーキーテストで、初めてJujuの実力が披露された。
3日間のベストタイムは、24台中23位で、ベストタイムは1’38.539 (トップから2.243秒落ち)。
辛口の評価をする人が多い中、正直私は「すごいなぁ」と思った。
ほぼ初めてのサーキットを、いきなりトップフォーミュラで走るのは、それだけでかなり難易度が高い。
もちろん壊してしまったらテストが台無しになるので、相当なマージンを持って周回していたんだろうな…と思う。
なので、コースをよく知り何年もSUPER FORMULAで走っている選手から2秒落ちというのは、決して悪くない。
今年2月に行われたテストのベストタイムは1’39.963 (トップから3.636秒落ち)。
このテストではトップとの差が広がってしまったけど、それは気温が低かったことでタイヤを適正な温度に持っていけなかったことが原因だと思う。

IMG_5003.jpgスタートでジャンプアップしたものの冷えたタイヤをロックさせコースを飛び出すJuju

そして今日、晴天の下で第1戦が行われた。
私は、ライブタイミングで観戦。
結果は、岩佐が9位、Jujuが17位、プルシェールが18位だった。

ライブタイミングから抜き出した各タイムは下記のとおり。
[ベストタイム]
 岩佐  1’39.589
 大湯  1’40.043
 可夢偉 1’40.353
 プルシェール 1’40.445
 Juju   1’40.895(対プルシェール +0.450秒)

[ベストセクタータイム]
 岩佐
  (S1) 26.936 (S2) 16.267 (S3) 37.099 (S4) 19.066
 大湯
  (S1) 27.095 (S2) 16.414 (S3) 37.309 (S4) 19.090
 可夢偉
  (S1) 27.208 (S2) 16.398 (S3) 37.118 (S4) 19.211
 プルシェール
  (S1) 27.124 (S2) 16.343 (S3) 37.214 (S4) 19.097
 Juju
  (S1) 27.362 (S2) 16.513 (S3) 37.541 (S4) 19.334
  プルシェールとの比較
  (S1) +0.138秒 (S2) +0.170秒 (S3) +0.327秒 (S4) +0.237秒

juju-2024.jpgどうだろう。
Jujuのベストタイムは、F2チャンピオンのプルシェールと比べて0.450秒遅いだけで周回おくれにならなかった。
これは、たいしたものだと思う。
Jujuは、レース時間が20分程度のレースしか経験がないにもかかわらず、SUPER FORMULAで1時間のレースを戦った。
Jujuの予選タイムは、1’40.699だった。
予選とレース中のベストタイムが同じってことは、彼女は予選でタイヤを使い切っていない…ってことになるし、自分好みのセッティングも試していない(まだわかっていない)と思う。
もし、タイヤとマシンを信じることができるようになれば、予選タイムは格段に上がるはず。
次回のレースは、九州のオートポリス。
岩佐もプルシェールも、次回は上位争いに絡んでくるはずなので、Jujuがいつ覚醒するかも含めてレースを楽しみたい。
そして、チャンピオン予想は野尻智紀。

次は、インディ。
佐藤琢磨は、インディ500のみの参戦。
チームは、古巣の ”Rahal Letterman Lanigan Racing“。
昨年は惜しくも "3度目" を逃してしまったけれど、今年こそ運を掴み取って欲しい。
最近はレースを見ていないので、誰がチャンピオンになりそうなのか全くわからない。

そして最後は、自分のこと。
8年前、こんな話をしていた。
1年計画
これは、とある耐久レースに参加して優勝してやろう!!という、大人になれきれない大人 "見かけはオジサン中身はお子ちゃま" の計画(?)だった。
しかしその翌年、我々のレースカーが富士で全損。
お子ちゃま計画は、白紙になっていた。

6年の時が流れ、我々のレースカーが復活。シェイクダウンを兼ねたお試しレースでお披露目された。
シェイクダウン
そして2024年、このマシンを私がドライブすることになった。
お子ちゃま計画から8才も年を取った私は、"見かけは益々オジサン中身はそのままお子ちゃま" になっている。
8時間耐久レースなので、ドライバーは私を含めて5人。
「みんなの足を引っ張らないでしょうか?」
という私に対して、ガレージの所長の返事は…
「ぜんぜん大丈夫だよ〜」
私、今からワクワクしています。

IMG_1910.jpeg私が乗るマシン