流木はゴミなのか… 〜諸磯から荒崎〜
月末の仕事を片付けた翌日、早いもので今日から5月突入。
午前中は海況が良さそうなので、4ヶ月ぶりにカヤックを持って海に向かった。
場所は、ここ最近定番化している諸磯〜荒崎航路。
葉山に比べて人が少ないこのエリアは、最近のお気に入りになっている。
ほんとは、何年も行っていない南三浦へも行きたいけど、私の暇な時間と海況がなかなかマッチしない。
平日なので、料金袋に「500円」と書いた後で、料金箱に書いてある張り紙を見た。
今日は、ゴルデンウィークなので駐車場料金は祝日扱いらしい。
500円を二重線で消して「1000円」と書き直した。だいぶ潮が引いている。
タイドをチェックすると、今日午前中の干満差は160センチ以上あるらしい。
春の海である。入江を出てバウを西に向ける。
潮が澄んでいて気持ちがいい。
そして、釣り人もいっぱい。いつものように岩礁帯の先まで行き、パドルを休めてウミウ達にご挨拶。
こっちはじっと見つめているのに、彼らは横目でこちらを気にしつつ、いつもそっぽを向いている。
それにしても、なんだか今日は数が少ない。
仲間の多くは、もう北の海に旅立ったのだろうか?荒崎に向かう。
先ほどの場所から40分。
釣り人がいるので、ドンドン引きへの侵入はやめておく。いつもの浜へのアプローチ。
潮位が低いので、隠れ岩に乗り上げないよう慎重に艇を進める。
上陸。
昼飯には早いので、お茶タイムにする。
お湯を沸かしていると、隣の浜から海岸清掃をしている人が一人やってきた。
声をかける。
「こんにちは、ご苦労さまです。」
「こんにちは、カヤックですか?」
「はい。僕も海岸に落ちているゴミを見つけたら拾って持ち帰っています。」
「そうなんですね、ありがとうございます。」
「海の上に浮いてるコンビニの袋も見過ごせいないです。いつだったかはバケツや大きな看板みたいなヤツも拾ったことあります。」
「私は、昔ダイビングをやっていたんですが、その時は海の底に沈んでいるゴミを持ち帰れませんでした。そんな罪悪感があったので今の仕事をしている感じです。」
⇨三浦トライアングル 〜三戸浜周辺〜
しばらくすると、隣の浜にいた他の清掃員の人達が沢山のゴミ袋を運んでこちらの浜にやってきた。
一人の人は、比較的大きな流木の傍らに座り、電動ノコギリの準備をしている。
話を聞くと、この人達は神奈川県から委託された業者の方で、大きな流木もノコギリで切断して持ち帰るらしい。
いま自分が座っている立派な流木のイスも処分されてしまうのだろうか?
「この木は残しておいてくださいね。」
「以前、他の海岸を清掃していた時に、こんな感じの流木を片付けようとしたら、地元の人に "この流木はイスにちょうどいいんだから片付けちゃダメだっ" って怒られたことがあります。」
「その気持ちわかります。」
「でも、県からは流木も片付けるように言われてるんですよねぇ。」
流木が沢山ある浜がある一方、ほとんど流木が無い浜があるのが不思議だった。
ゴミが集まりやすい海岸も存在するので、流木の有る無しも海岸によるんだろうなぁ…ぐらいに漠然と思っていた。
海岸清掃に熱心な神奈川県には、海岸清掃に特化した日本で唯一の財団「かながわ海岸美化財団」があり、ボランティアの協力も仰ぎながら日々海岸清掃を行っている。
⇨令和7年度 海岸清掃業務委託
⇨ボランティア清掃カレンダー
確かにペットボトルや瓶や缶、そしてビニール袋がそのままになっている様子は放置できない。
そして、台風の後などで大量に打ち上がった木屑もゴミとして片付けてもらった方がいい。
⇨粟島 2日目〜内浦から内浦〜
環境省が作成した「海岸清掃事業マニュアル」の6ページ目に「漂着ごみの種類」が載っている。
⇨漂着ごみの種類
役所から委託された業者は、このマニュアルにのっとり、海から流れ着いた物は全てゴミとして集め、作業前後の海岸の様子を写真に撮らないと、お金はもらえないのだろう。
しかし、流木が散歩をする地元の人に愛されていたり、私のように "キャンプしたい浜=流木がふんだんにある浜" とか思っている人間もいる。
できれば見栄えのいい流木の2〜3本は残しておいてもらえると嬉しい。作業員の人達に挨拶して浜を離脱し、向かった先はエビカの浜。
干潮に近づいている時間だけど、隠れ岩が少なく "普通" に上陸。
春真っ盛りなお花畑の中歩いて、昼飯ベンチに腰掛けた。
入江側では、男の人がシートで昼寝している。1時間ほどのんびりして、諸磯に戻ることにした。
まだ風は吹き出していない。
霧が出ているわけじゃないのに、曇り空のせいで空と水平線の境がはっきりしない。
相模湾側もこんな感じ。諸磯の入江は、通行止めになっていた。
一旦カヤックを降り、その先でもう一度乗り込んでから上陸。
まるで別の浜に戻って来たみたい。
昔、潮汐のことでブログを書いた事がある。
⇨潮汐を考える
2012年4月21日に南三浦を漕いだ時の干満差は140センチだった。
ほぼ今日と同じ。















