なんだか最高 〜高崎〜

谷川岳を後にし、最初に向かったのは高崎市内にある銭湯。
今日泊まるゲストハウスには共用のシャワーブースしかないので、ゆっくりお湯に浸かれるお風呂に入ってからチェックインすることにした。

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1921年(大正10年)に創業した浅草湯に到着。
ここは1929年(昭和4年)に一度焼失しているので、現在ある建物は創業当時のものではない。
老朽化で外壁や屋根等を補修しているけど、のれんをくぐって中に入るとタイムスリップしたような気分になる。
まずは、下駄箱には鍵がかからない…というかちゃんと閉まらない。
番台はあるけど、番頭さんは男風呂の脱衣場にある小さなテーブルの所に座っていた。
450円を払う。
脱衣場の木製のロッカーを選んでいると、番頭さんが声をかけてくれた。
「脱いだ服はその籠の中に入れて、その辺りに置いてください。」
「あっはい。どこに置いてもいいですか?」
「はい、どこでもいいですよ。」
脱衣籠…私は15才の時まで銭湯に通っていたけど、その時の銭湯の脱衣場がどうだったか覚えていない。
しかし、こんな籠があったような記憶がかすかにある。
洗い場は狭いけど、お湯はたっぷり出る。
汗を流し、さて湯船へ…湯船は2つあり向かって左側は"熱め"と書いてある。
手を入れてみると確かに熱い…というかめちゃめちゃ熱い!!
右側のお湯を触ってみる…めちゃ熱い!!
このままじゃ入れないので、水道の蛇口を捻って掻き回す。
なかなか入れる温度にならない(^^;
裸でお湯を掻き回すこと1分(?)、ようやく、なんとか入れる温度になった。
こんな熱い風呂に入ったのは、むかし定宿にしていた下田の民宿(名前は旅館)以来かもしれない。
ひと息ついていると、私の後に入ってきた人が、迷わず"熱め"の湯に入った!!
「熱くないですか?(^^;」
「いつも入っているので大丈夫です。長くは入らないので。」
世の中にはすごい人がいるもんだ!!
めっかった群馬【とっておき探訪】

ちなみに、"日本で一番古い銭湯" で検索すると、鹿児島県の竹迫温泉や大阪市の源ケ橋温泉が出てくるけど、どちらも現在は閉館している。
そうなると、この浅草湯はとっても貴重な文化遺産ってことになると思う。

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ゲストハウスに到着。
スタッフの若い女性が受付をしてくれ、宿の設備やルールについて丁寧に教えてくれた。
ついでに、この辺りのお勧め居酒屋を聞いてみた。
その中の一つは、自分も行きたいと思っていた店だったので、2軒目はその店を目指すことにする。

私の部屋は個室。
ルームチャージなので、2人で泊まれば安いけど、狭いホテルの部屋でも同じくらいの価格ってことを考えれば悪くはない。
明日は、この部屋でチェックアウト時間ギリギリまで過ごす。

本日の打ち上げへ出発。
まずは、宿からそれほど離れていない店に向かう。
数分歩いて居酒屋っぽくない外観の店の前に到着したものの、店に灯が点いていない。
はて定休日ではないはずなのに…。電話する…出ない。
困った。
頭の中も気持ちも既に飲む気満々モードなのに、この近くには入りたくなるような飲み屋がない。
仕方がないので、飲み屋が多そうなエリアの目星をつけ、歩きながら探すことにした。

放浪15分後、居酒屋が並ぶ路地のとあるビルの奥にある炉端屋を発見。
カウンターに着席。
私が嫌いな若者ポップスの有線がかかっているのは、気にしないことにして生ビールとつまみ2品を注文。
居心地が悪かったら、追加注文しないで出ようと思っている。

IMG_9821.jpegカツオの刺身とおでんが目の前に置かれた。
おでんは、お店の女の子にお勧めを聞いた。

有線を無視すれば、まあまあ居心地がいいので地酒の熱燗を注文する。
私の後から入店し一つ離れた席で飲んでいた年配のサラリーマンが、私の方にお猪口を差し出した。
「冷たいのも飲んでください。」
と言って、同じ銘柄の冷酒を注いでくれた。
熱燗の後で注文しようと思っていた酒だったので、ありがたく頂く。
店の人からもう一つお猪口をもらい、私の熱燗で返盃した。
何も話さないのもなんなので、挨拶がてら話しを振ってみた。
「出張ですか?」
「はい、横浜から来ました。」
「僕も横浜です。」
「仕事ですか?」
「いえ、見てのとおり遊びです。」
どうも、飲むのが好きな人のようで、出張で高崎まで来たついでに一杯やってから帰るらしい。
炉端屋さんなので、3品目は秋刀魚を焼いてもらう。

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10分ちょっと歩いて、2軒目に到着。
この店は宿の女の子からもお勧めされていた。
迷わず入店すると、入り口で店の主人に声をかけられた。
「飲み物は、ビール、ウィスキー、日本酒、ハイボールだけですがよろしいですか?」
「ラムとかあるって聞いたんですが…」
「あっ、今日は店が違うんですよぉ」
どうやら、一週間の内何日かを別の店(店名も違う)として、場所借りでやっているらしい。
期待していた店とは違うので、一旦店を出て歩き始めると「また放浪?」って言葉が頭によぎった。
違う店とはいえ場所は同じなので、店の雰囲気だけでも見たいと思った。
Uターンして、もう一度扉を開ける。
「戻って来ました。」
「つまみと飲み物のセットで1,500円になりますがよろしいですか?」
「はい!!」

IMG_9824.jpegIMG_9827.jpegカウンターに座ると、注文したビールと一緒にセットのつまみが置かれた。
なかなか良さそう。
お店は、リラックスできる雰囲気で居心地がとってもいい!!
ビールの後に、お勧めの日本酒をもらう。
一つ離れた席で飲んでいたお客さんは、地元のオーケストラでビオラを担当する方だった。
横浜の県民ホールで演奏したこともあるらしい。

物静かで客との距離感がいいマスターにお勧めの店を紹介してもらったので、行ってみることにする。

IMG_9831.jpegIMG_9830.jpeg紹介してもらったワインバーの扉を開けると、長いカウンターが目に入った。
ワインリストから選んだブルゴーニュのワインと、少しだけチーズをもらう。
このレベルの店を一人で切り盛りするのは大変じゃないだろうか…。
この店のマスターも、物静かで客との距離感がいい。
そお言えば…、来月はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日。
14年前には、こんな事があった。
まさかのボジョレー、そして雨の名護

時間は21時を少し回ったところだけど、満足したので宿に戻ることにする。
実は高崎の街は、12年前にも来た事があり大いに飲んだ事がある。
はるかな尾瀬 1日目〜鳩待峠から見晴し〜
その時は、どこに泊りどこの銭湯に入ったのか、全く覚えていないけど、高崎の街の印象はあまり残っていなかった。
しかし、今回再訪してみると、高崎の街は、綺麗だし人が温かいしいいお店もある、そしてドライバーのマナーもいい。
とっても気に入った!!

2日目。
今日は、川越へ遊びに行く我が家の主人と息子をピックアップする。
宿のチェックアウトは10時なのに待ち合わせは13時半。
川越まで高速を使うと、1時間で着いてしまうので、どこかで時間を潰さなければならない。
何をするにも時間が中途半端なので、下道を走って移動し、どこかで美味しい昼飯を食べることにした。
10時までは部屋で仕事をする。

IMG_9837.jpeg昼飯は、熊谷市にあるタイ料理店にした。
開店時間の11時半より少しだけ早く到着。
店は住宅街の狭い路地に面していて、車を置けるスペースは店の前に1台だけ。それも狭い。
ひょっとしたら店主が車をおくかもしれないので、電話して確認する。
「車で来てるんですが、どこに停めればいいでしょ?」
「店の前でいいわよぉ」
店の前の狭いスペースに縦列駐車で車を停めた。
まだ開店時間前だけど、声をかけたら入れてくれた。
店内はこんな感じで、なかなか(かなり?!)ディープ。

IMG_9838.jpegカオマンガイを注文。
美味しい!!
「横浜に住んでいるのでなかなか来れないけど、機会があったら寄りますね。」
「また来てね。」
この店は、夜に飲み食いしてみたいけど、近くにはホテルがない。
夜飲みに来る人は、どうやって来てどうやって帰るんだろう?
この店が横浜にあったらいいのに…。

予定していた時間に川越に到着し、例のよってお土産袋を山ほど抱えた2人をピックアップ。
横浜へ向けて車を走らせていると、数箇所でゲリラ的な土砂降りの雨が降っていた。
なんだか日本は東南アジア化してる?

(あとがき:2025.12.5)
利用したゲストハウスの宿泊料金が値上がりしていた。