上陸ポイントあり 〜伊豆大川から伊東〜

2013年4月11日 木曜日、ランチ抜きの打ち合わせが終わってメールをチェックすると、タケさんから連絡が入っていた。
「今度の土曜日、東伊豆に繰り出そうと計画中です。伊東から大川まで22,3キロです」

そして、イイダーとワンチャンからの返信も入っている。
「土曜日は子供の陸上大会で行けません」
「上陸ポイントがほとんどないとなると…ちょっときついです(^^;;」

イイダーは、ゴールデンウイーク西表島一周キャンプツーリングの許可が出たばかりなので、家族サービスに邁進中。
ワンチャンは、1年半前のトラウマがあり、及び腰のご様子。"汗付きの顔文字" がそれを物語っている。
七里ヶ浜の海は蒼かった 〜葉山大浜から江ノ島〜

東伊豆は上陸ポイントがあまり無い。
七里ヶ浜緊急上陸、そしてウィスパーを倒立させたワンチャンが尻込みするのも無理はない。
上陸ポイントなし 〜片瀬白田から伊東〜

私は日曜日に町内会の総会と理事会があるので、遊べるのは土曜日だけ。
待ってましたっとばかりに返事をした。
「上陸ポイントは川奈、富戸(緊急時)、赤沢ですが、ウネリが少なければ上陸できそうなゴロタがあります。水分控えめで暖かくしとけば川奈、赤沢で上陸すれば大丈夫かと…ちなみにどちらもトイレあります。」
ワンチャンから返信。
「では参加させていただきたいと思います」

決定!
大川は浜から駅までが上り坂っぽいので、大川から伊東へのワンウェイルートになった。

伊豆大川

大川の小さな漁港のスロープで出艇準備。
港へ着くやいなや、タケさんが小走りで漁師の人に話しかけ、利用のお許しをもらった。

「前にもここからカヤックを出した人がいたよ 舟はこれから持ってくるの?」
「いえ、このバッグの中に入っています」
「へ〜〜〜」

漁師のオジサンが、タケさんの持っているオレンジ色のパドルフロートを指差して言った。
「舟はこんな感じの明るい色が目立っていいなあ」
「じゃあ、あんな色はぜんぜんダメですね(^^」と言って、ワンチャンのカーボンウィスパーを指差した。
「ん〜〜探す時に見つけられねえ〜な〜」

聞いたところによると、戻りカツオの時期になると、この近くでもクジラが見られるらしい。
そうですかそうですか…カツオと共に私達も戻ってくることにします。

大川は、仮設だけどトイレもあり、そして!なんと!海に面した露天風呂(11時オープン 500円)もあった。
ここがゴールなら、海を見ながら汗と潮を流し、生き返ることができる。

伊豆大川

感じのいい漁師のオジサン二人に見送られ、伊東に向けて出発。

伊豆大川駅には8時13分に着いたにもかかわらず、私のiPhone伊豆急置き忘れ事件の影響で、出艇時間が10時近くになってしまった。
皆さんすみません!

P4130005.jpg

ワンチャン、タケさんお久しぶり!よろしく〜。
タケさんと一緒に漕ぐのは、去年の裏磐梯以来。
ワイルドキャンプは無理だった

その間、私はあっちこっちで酷い目に会っていたが、タケさんも三浦や沖縄で酷く楽しい目に会っていたらしい。
来る途中で見えた海は、なんだかバシャバシャしているように見えた。
どうか今日は、酷い目に会いませんように!

P4130009.jpg

大島をバックに軽快なパドリングのワンチャン。
後から聞いたら、力を入れなくても進むフォワードストロークのコツが少しわかったらしい。

P4130010.jpg

赤沢に向かう二人。
タケさんは、塩島さんに作ってもらった分割Gパで、なんだか漕ぎやすそう。

朝、雲が広がっていた空も、この時間になると快晴。
私のウェアは、トップがReedのTranspire Fleeceの上に相当くたびれてしまったHenri Lloydのラッシュ、ボトムがパタゴニア リバーショーツの上にKokatatのパンツでちょうどいい。
そして、天気予報ではそれほど気温が上がらないとのことなので、念のためいつでも取り出せる場所にパドリングジャケットを忍ばせてある。

この後、赤沢沖にだだっ広く広がっている定置網の迂回通路をタケさんが調査しに行く。
沖合に進んでちっちゃくなったタケさんが、頭上で大きく丸印をしている。
どうやら通り道を発見したらしい。

八幡野

柱状節理の脇を漕ぐタケさん。
潮をかぶると美しく輝く赤いウィスパーXPだが、タケさんがラダーを使う事はめったにない。

橋立つり橋P4130020.jpg

八幡野にある長さ60メートル高さ18メートルの橋立つり橋(はしだてつりばし)の下で海上休憩。
この場所は、出艇させてもらえなかった八幡野港の少し先にある。
出艇ポイントなし 〜東伊豆 川奈周辺〜

今日は昼過ぎまで上陸できないかもしれないって事で、全員しっかりと行動食を積んでいる。

八幡野

直接海にそそぐ滝。
この辺りの岩場では、ロッククライミングで遊んでいる人達があっちこっちにいた。

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海快晴の波予報では、この辺りは0.1メートル。
この予報はまったくハズレで、デッキが乾くことはめったになかった。
岬の先端では、ブーマーが立ち上がり、複雑な潮の流れがある。
東伊豆はいろんな海を見させてくれるので、カヤッカーを飽きさせない。

城ヶ崎門脇つり橋

城ヶ崎の門脇灯台が見え、先行したタケさんが崖の上にいる観光客に手を振っている。
そして門脇つり橋(かどわきつりばし)の下に到着。
ワンチャンは城ヶ崎の吊り橋よりも、八幡野の素朴な感じの吊り橋の方がお好みとのこと。

ここでタケさんから、グッドな情報が披露された。
「この先にプールのある施設があるらしいんですが、そこに上陸し店で昼飯を食べた…というブログがありました」

お〜、そこに上陸できれば東伊豆のツーリングも格段楽になり、ワンチャンが大喜びすること間違い無し!
はたして、そこはファルトでも上陸できるのか?!

富戸

あった! そして上陸できた!
砂浜ではないので、もう少し波があると難しいけど、とりあえず今日は上陸できた!
そしてトイレもある。

この場所は、今日の予定ルートのちょうど中間地点辺りなので、とても助かる。
観光地料金の定食にするか、持参のオニギリやラーメンにするかを検討した結果、賛成多数で持参飯を食う事にした。

富戸

昼飯&陸上休憩で英気を養った二人が、コックピットに頭を突っ込んで再出艇準備中。
この時点で13時半。
残り十数キロ。

ウネリの弱まった海をゆったり漕いでいた時、右前方に丸い頭が浮かんだ。
海中には丸い体が見える。
ウミガメだ!
すぐにみんなに伝えたが、こっちに気づいたウミガメは海中に潜ってしまった。

川奈

出艇後暫くはウネリも弱まり、このまま穏やかな海が続くと思った。
しかし翌々週にフジサンケイレディースが開催される川奈ゴルフコースが見え始めた辺りから海況が変わった。
小網代の突端の先には遥か沖まで大きな波が立っていて、横波を受けながらガッチり沖出ししなければならなかった。
この辺りの海底は浅い!

それにしても雄大!シーカヤックの醍醐味を満喫した。

川奈手石島

最後の岬が見えた。
時間は15時を少し回ったところなので、せっかくだから手石島を見に行くことにした。
追い風と追い波で漕ぎづらい

P4130019_wan.jpg(撮影:ワンチャン)
手石島

反時計回りで手石島を一周。
残念ながら上陸できる浜は無い。

伊東オレンジビーチ

いつもの伊東オレンジビーチでゴール。
天気は快晴のまま、気温もポカポカで最高の "撤収日和" だ。

タケさんのGPSによると、この日の航行距離は約27キロ。
それにしても今回のツーリングは最高だった!
ルートの海岸沿いには道路が少なく、高くはないけど崖が続いているので民家や別荘もあまり目に入らない。
岬を越えるたびに潮の流れや海の様子が変わり、雄大なシーカヤックを楽しめる。
そしてなにより、上陸ポイントが見つかった!
また来よう。

タケさんと別れた後、伊豆急車内で見つけてもらったiPhoneを取りに伊豆高原駅に向かった。
ふむ…帰り道とは反対方向だ。

map_20130413.jpg(OLYMPUS TG-1による航行軌跡)